2013年5月2日木曜日

練度不足の中国空軍パイロット:空母が有効に使えるのは数十年後

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●28日、オーストラリア紙シドニー・モーニング・ヘラルドは、中国人民解放軍空軍には訓練不足という大きな課題があると指摘した。写真は2012年10月、訓練航海中の中国空母・遼寧号。


レコードチャイナ 配信日時:2013年5月2日 8時20分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=71857&type=0

練度不足の中国空軍パイロット、空母が有効に使えるのは数十年後との予測―豪紙

 2013年4月28日、オーストラリア紙シドニー・モーニング・ヘラルドは、中国人民解放軍空軍には訓練不足という大きな課題があると指摘した。
 30日、新華網が伝えた。

 3月31日、中国空軍の戦闘機Su-27が墜落、パイロット2人が死亡した。
 脱出が遅れたことが死因となったが、事故の際の脱出について適切な訓練を受けていなかったことが明らかとなっている。

 この事故は中国人民解放軍空軍のアキレスけんを示すものだ。
 中国が保有する軍用機は数の面では米国に匹敵するが、
 飛行訓練やプレッシャーがかかった状態での訓練が不足しており、練度の面では大きく遅れている。

 人材不足は昨年就役したばかりの空母の運用にも影を落としている。
 23日、中国海軍の宋学(ソン・シュエ)副参謀長は海軍創立64周年記念式典に参加し、
 「中国の空母は1隻にとどまらない」
と発言。また空母1隻あたり2つの飛行団を配属させる方針を示した。
 ところが艦載機J-15の飛行訓練を受けたパイロットはわずかに12人しかいないという。

 世界最強の空母戦闘軍を有する米国だが、この戦力を手に入れるまでには訓練中の事故で多くの犠牲を出している。
 Su-27の墜落事故は中国もリスクを覚悟した訓練に取り組み始めた兆しとみられているが、練度を高め強力な空母戦力を手にするまでには数十年もの時間が必要となるだろう。


 空軍機はためらわない一瞬の判断で行動を決していく。
 いわゆるトップガンだ。
 パイロットは常に最悪環境、過酷条件、限界を超える限界を幾度と無く繰り返していくしか成長の道はない。
 自国の枠内の訓練飛行ではまず、トップガンにはなれない。
 例えば、自衛隊でいえば


レコードチャイナ 配信日時:2013年4月28日 12時52分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=71796&type=0

中国軍、尖閣海域での空軍抑止力を強める―米メディア

 2013年4月27日、米ラジオ局ボイス・オブ・アメリカ(VOA)中国語版サイトは日本メディアの報道として、23日に中国の
①.海洋監視船8隻が尖閣海域に侵入した際、
②.40機以上の中国軍機も飛来していた
と伝えた。

 飛来した中国軍機には「蘇―27」「蘇―30」など新型の戦闘機も含まれていた。
 尖閣海域で中国監視船と日本側が対峙している間、空から情報を収集し中国監視船に送っていたものとみられる。
 今回飛来した戦闘機は以前から飛来していた戦闘機に比べて性能の良い第4世代戦闘機。
 中国側が尖閣海域における空軍抑止力を強化したことを示している。


 といった、艦船8隻、航空機40機といった極限状態でのスクランブル行動を繰り返すことによってのみしかトップガン・スキルは身につかない。
 中国が数で圧倒してくるということは、中国側のスキルは曖昧になる。
 常に味方の状態に気をとられてしまう。
 しかし自分の倍する相手とどうやって戦うかとなれば、それは当然トップガンへの近道となる。
 その状況ではパイロットは肉体的にも神経的にも疲弊する。
 それを乗り越えることで、非常時の技術を磨いていく。
 一日程度の演習では大したことになならないが、3日4日と波状攻撃を受けたとき、いかに対応していくかで、技術の壁を乗り越えていく。
 それがトップガンを育成することになる。
 トップガンでなくても、艦船においても同じだ。
 神経的に疲弊した状態を繰り返し繰り返し経験することによって、とっさの判断力が培われていく。
 中国が大量の船舶航空機を投入してくることは、自衛隊にとっては願ってもない訓練場を提供してもらえることになる。
  こういう恵まれた状況にあるのが今の自衛隊である

 一方中国は「孫子の兵法」で数で圧倒して相手の繊維を消失させ、「戦わずに勝つ」という戦略をとっている。
 これを有効にしているのが、中国のちょっと汚らしいとおもわれる言葉の羅列による脅しである
う。
 量的に大きいとどうしても自信過剰に流れてしまう。
 そのためスキルの向上にはつながりにくくなる。
 中国はまだまだハードで評価する価値観をもっている。
 よって、武器をたくさんもっているほうが強いという認識である。
 しかし、先進国は人材と情報というソフトをもって戦術の基礎にしている。
 有機的に自在にインフォメーションを変更できるフレキシブル化だ。
 それにはハードよりも、運用スキル、すなわちソフトが優先していく。
 そのとき、ハードはソフトの駒になる。
 「ハードは駒」という発想がベースにならないかぎり、近代戦はできない。
 大量の武器をもっているものが強い、というのは少々昔の戦術になる。



【中国解放軍の実力:光と影】



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