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サーチナニュース 2014-02-04 11:17
http://news.searchina.net/id/1523075
中国が開発中の輸送機―最小離陸距離600mの「ぽっちゃりお嬢」
中国中央電視台(中国中央テレビ、CCTV)はこのほど、
開発中の軍用輸送機「運-20(Y-20)」
を紹介する番組を放送した。
主翼前縁部や後縁部に新たな工夫を取り入れることで、最短離陸距離を600-700メートルに抑える見込みと報じた。
開発の現場では、関係者が「運-20」を愛情をこめて「ぽっちゃりお嬢」と呼んでいる。
軍用機に限らず、航空機の開発ではまず「求められる性能」があり、結果として評価されるのは
★.「求められる性能が実現できたか」、
★.「他の要素とも合わせて、機全体としてバランスがとれているか」
ということになる。
そのため、結果としても「数字」を単純に比較しても、技術面の優劣を単純には判断できない場合がある。
しかし中央電視台の番組が「最短で600-700メートルの距離で離陸可能であり、降着装置(主脚)を多く設けることで、条件が悪い簡易な飛行場でも離着陸ができる」と説明したことから、同機の開発にあたり、最短離陸距離の短縮も重要なテーマだったことは間違いないだろう。
日本の場合、川崎重工業が開発し、自衛隊が1973年に運用を始めた戦術輸送機のC-1の最短離陸距離が460メートル(着陸は600メートル)であり、運-20の最短離陸距離は取り立てて珍しい数字ではない。
ただし運-20は全長47メートルで最大搭載量が66トンとされており、全長29メートル、最大搭載量8トンのC-1に比べてはるかに大型だ。
なお、川崎重工業が開発中のXC-2は、全長43.9メートルで最大搭載量は約30トン。
最短離陸距離は500メートルだ。
運-20は西安飛機工業が開発を行っており、2013年1月26日に初飛行を行った。
中国軍に配備されるのは2016年以降になるとみられている。
中国軍の現在の主力輸送機は旧ソ連が開発したイリューシン76。
イリューシン76の初飛行は1971年で、気象条件が悪い冬のシベリヤや北極などでも運用できる特徴がある。
同機の最大搭載量は40トンで、最短離陸距離は850メートル、最短着陸距離は450メートル。
運-20はイリューシン76の後継機で、搭載量が大幅に増え、利用できる飛行場の選択肢も格段に多くなるだけでなく、電子機器の性能も大幅に向上するという。
運-20の開発に携わる中国国空工業集団西安飛機工業の呉元良副総工程師は
「大型飛行機を開発する際には素材の選定と購入、加工から、部品の取り付け、そして試験飛行まで、(自分が開発する飛行機と)ずっと一緒に同じ道を歩くのです。
そりゃ、愛情がわいてきますよ」
と説明。
同集団の大型輸送機事務局の韓先理副主任によると、開発関係者は「運-20」を 「ぽっちゃりお嬢」と呼んでいる。
韓主任は
「飛行機は人と同じですよ。
魂があるんですよ。
たとえば今日、故障が発生したとしますよね。
これは彼女がヘソを曲げているんです。
あるいは体調を崩した。
そういう時には、こちらが彼女を助けてあげるわけですよ」
という。
試験飛行の際には作業員が1時間以上をかけてきれいにしてから、滑走路に送り出す。
「お嬢」だけに、心を込めて髪をとかしたりお化粧をしてやるのだという。
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